石村萬盛堂

2020/07/20 17:31


夏の土用入りを迎えました。梅雨はまだ明けていないものの、本格的な夏の暑さを感じる日々が続きます。

さて山笠の15日間が過ぎましたが、祇園饅頭に大黒飴、たくさんのお買い求め誠にありがとうございました。 今年 は「通販してくれてよかった」と、お客様に仰っていただくことが多かったと感じております。遠くの土地からでも山笠を思い出していただくお客様にお菓子をお届けできたこと、なんとも嬉しい気持ちです。

この度、博多の町に大黒飴の色彩大黒天、所謂「大当たり」が出たぞという話が入りました。それも大黒流(山笠7つの流れのひとつで、石村萬盛堂が所属するのも大黒流です)の方という話!

これはインタビューさせていたただきたい!と、 色彩大黒天を当てた方のみにお渡しする「霧箱」お渡しのタイミングに、インタビューさせていただきました。


こちらが、大当たりを当てた野中さんご家族(野中力(つとむ)さん、妻 里恵さん、お子様たち)と、副社長。

博多生まれ、博多育ち、大黒流から山笠に出られている野中力さんのお仕事は、なんと【山大工】!山笠そのものに縁の深い方が大当たりを当てられました!(ちなみに、昨年は関西 京都にお住まいの方でした。)



―大当たりおめでとうございます!色彩大黒天は毎年色が変わりますので、世界にたった1つだけ。今年はパステルカラーで、やさしい印象で素敵ですね。うらやましい!当たった時はどんなお気持ちでしたか?

妻が購入し、家のリビングで家族みんなで箱を開きました。開いた瞬間、もちろん驚きました!

包みの中から出てきた大黒さんと、目が合った気がするんです。山大工の仕事をしているので、普段から人形師の先生方とお話をする機会が多いのですが、人形に目を入れれるか入れないかがとても重要な技術と伺ってます。




おお~目が合ったのですね!目が描いてあるのは、色彩大黒天だけですね!
さて、普段のお仕事は、山大工と伺いました!山笠に深く関わる仕事です。今年は山笠が延期となりましたが、山大工のお仕事について教えてください。

実は、 これまでの仕事を辞め今年から山大工一本で、本格的に山大工の「棟梁」として務める予定でした。本来であれば今年、ソラリアの飾り山の棟梁、大黒流の助手、西流の縄専門のひよ方としての役目をするはずでした。2月は山笠振興会による、人形師の先生と山大工による懇親会も執り行われました。
しかし、コロナウィルスの影響で山笠が見送り(延期)・・・。「さあ、今年から本格的に始めるぞ!」と思っていた矢先に、このようなことに。

私は大黒流の人間なので、大黒さんには強く思い入れがあります。今年妻が持って帰ってきた大黒飴に大黒さんが入っているのを見て、大黒さんに「もっとがんばりなさい」と言われているように感じましたね。


今年から本格的に山大工のお仕事を務める予定だったのですね。山笠が延期になるということは、本当に驚きでした。野中さんは、来年の山笠にどのようなことを想いますか。

このままどうなるのかはわかりません。このままウィルスが続けば、山笠がなくなるかもしれない。

しかし、私が山大工をはじめたのは「博多の生き方」を後世に伝えたいという想いからの決断です。たとえ、山笠がなくなったとしても、「博多の人の生きざま」を伝えていきたいと思います。子どもたちの子どもにまで、ちゃんと先人たちのことを伝えていきたい。



同じ博多で100年以上同じ看板で商売させていただく身として、とても灌漑深いお話しです。野中さんのお話を伺っていると、今年の大黒さんは野中さんのところに歩み寄ってきたようにも、個人的には感じます。
 
そんなふうに仰っていただき嬉しいです。
ありがとうございます。


なんとも、博多の町・博多の人らしさがにじみ出るインタビューでした。
山笠って、見る方と参加する方で全然違うと言いますが、野中さんのお話しを伺って、参加する博多の方々には、並々ならぬ熱い情熱があるのだと改めて感じることができました。この山笠という770余年続く祭りを、100年後・200年後の未来にも、私たち博多という地域は継承して行かなくていけない。そんなことを野中さんのお話しで考えさせていただきました。

野中さんご家族、ご協力いただき誠にありがとうございました!


新暦の七夕まで飾られる石村萬盛堂博多土居通り店の七夕の笹にも、来年の山笠への願いがいっぱい!
来年こそは、山笠のある博多の夏を迎えることのできますように。










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